ちょっと前まで、ルネサスの子会社の社員だったこともあり、ルネサスがニュースになっていると、気になって見てしまいます。
どうも、産業革新機構の傘下で再建を進めることになったそうです。
ただ、経営陣がしばらくはそのままみたいなので、今の方針はそのまま継続なのでしょう。
苦境に陥った原因は、事業の3本柱の1つであるSoC(System on Chip)の不振だそうです。SoCは、家電メーカーの仕様に応じて作る製品なので、SoCの不振は、国内の家電メーカーの不振の表れでもあります。
ルネサスに合併する前、NECエレクトロニクスの時代、SoCのエースは「EMMA」でした。前の会社で、「EMMA」で、Linuxを動かすのに苦労した話を聞いたことがあります。スマートフォンが流行るずっと前の話です。
こういった技術を持った設計者は、今回のリストラで辞めてしまったのでしょうね。きっと転職先には困らなかったと思います。
たぶん、SoCで儲けるには、工場を抱えていてはダメだ、という決心が誰もできなかったのでしょうね。工場を抱えていると、数が出ない製品は扱えない。数が出るのは、大手からの発注のみ。大手からの発注は、すでに流行っているものの改良だけで、価格が抑えられる。ということは、抱えている工場からは数が出るけど、あまり儲からない、ということでは。
NECエレクトロニクスの時代も、景気がよかったことはありませんでした。でも、世界に誇れるような最先端の仕事に関わっている、という自負がありました。
ニュースでは、つぶれる寸前の下請け企業、という扱いをされており、悔しい思いをしています。
私は縁が無く、ルネサスを退職しましたが、残った方には、日本の技術力はこんなに高いんだ、というところを見せてほしい、と思っています。