ネットの混雑

派遣先の大学で、インターネットの遅延が問題になっている。最近は、ネット上の動画を使った授業も行われているのだが、それに障害が出るほど遅い。

以前から問題になっていて、何度も調査を行っており、これだろうという目星はついている。ouTube などのネット上の動画視聴が、NTTの回線とのゲートウェイ負担の負担になっていて、処理が追いつかないらしい。映像学科がある以上、研究で動画を見ているのであれば、それを止める訳にはいかな。ネットになっているのが装置なら、早急に容量の大きなタイプに置き換える必要があるのだろう。

さらに、この時期は、まずいことにソフトのダウンロードがある。派遣先の東北芸術大学では、hotoshop と Illastrator の操作を教える授業が必須になっている。3月までに入学が決まった学生は、パソコンといっしょに Adobe製のアプリをインストールするのだが、クラウドな時代だけにネットからダウンロードしてインストールする仕様になっている。そして、この時期は、これが大学のネットを圧迫する。1人2人なら問題ないのだが、10数人が一斉にダウンロードを始めたら、いっきにネットが遅くなる。

さらにさらに、Windows Update もあなどれない。新しいパソコンは、ネットに繋がるとアップデート情報を探す。もちろん、今の学生は自分の部屋にネットを引いていて、インターネットに繋がる人が多いので、アップデートはそっちで終わる人が多い。しかし、この大学の学生は、Mac Book Pro を持っている人が多い。しかも、MacOS とWindows 10 を切り替えて使っている。自宅では MacOSしか使っていないのに、大学でWindows 10 を立ち上げたら、その時点でアップデートが開始してしまう。

さらに、大学でしかネットに繋いでいない学生もいる。そういう人のパソコンもネットで勝手にダウンロードを始めてしまう。

ファイヤーウォールを通過するトラフィックを監視していると、朝、9時くらいに授業が始まると同時にパケット数がいっきに増加する。今日は、午前中が多い。たぶん、この時間帯にパソコンを使った授業があったのだろう。日によっては、3時くらいがピークで夕方6時くらまで続くこともある。これは、上級生達が研究のために見ている動画や画像かもしれない。

さて、自宅の話になるが、うちではパソコンを増やした。中学になる子供に買ってあげたのだ。届いたパソコンを立ち上げ、ネットに繋いだとたんに、アップデートが開始されたようだ。新しいパソコンのはずなのに、遅い。スペックの低い去年購入したパソコンよりも目に見えて遅い。そんなときに、子供はゲームのダウンロードを始めてしまった。もうそのパソコンは、普通に使えるレベルではない。自宅のネットは、夜になると回線の遅さが目立つだけに、ダウンロードに12時間かかります、なんて表示も。

ネットが普通になって、クラウドでなんでもできる便利な世の中ですが、こういうネットのリソースを食い尽くす仕様は、どうなんでしょうね。Windows Update は、裏で最低限のリソースでやってくれるとはいえ、接続が不安定でなんどもやり直しているようだし。第一ネットが遅くて表のアプリにも影響が出ている。

そろそろ、従来のLANを拡張したインターネットは限界なんじゃないか、と思ったりしてしまう。せめて、動画やアプリのダウンロードなどの連続した情報と、Webの画面表示などは、別の回線で繋いだりだきないかと思ってします。さらにいえば、もっと近い場所にキャッシュがあって、それを共有できるような仕組みがあればいいのだが。まあ、そのうち誰か頭のいい人がいろいろと提案して、数年後にはもっと便利な世の中になっているかもしれないし。(全く変化なしかもしれないし)

私の生まれた土地は電話が引かれるのが遅く、NTTの電話が使えるようになったのは、小学生のころだったと思います。ちょうどちびまるこちゃんの時代なので、電話機はダイヤル式でした。誰かに電話するのは、ダイヤルの円盤に開いた穴を見つめて、ちょっとドキドキしたものです。今は、スマホでタッチするだけで電話がかかるし、LINE に文字が送られてくる。あのころとは別世界なんですが。どんな便利なものでも、ちょっとでも不便を感じると、それに不満を持ってしまうものなのかも。

デスクトップのゴミ箱アイコン

デスクトップのゴミ箱アイコンを見たのは、初代 Macintosh の画面だったと思います。はるか昔のことなので自信はありませんが、画面の隅にあるゴミ箱のイラストは、かなり衝撃的でした。

当時は、MS-DOS 全盛の時代。ファイルの削除は、もちろん del コマンドです。それが、マウスで移動すれば削除できてしまう。初代 Macintosh があったのは大学の他の研究室で、自由に触ることはできませんでした。そのころのコンピュータ雑誌にはこの画面がよく紹介されていたので、当時は何度も目にしていたような気もします。

私が所属している研究室には、X-windos が使えるUNIXマシンがあったのですが、まだ、デスクトップの概念が希薄な時代で、もっぱら複数のコマンドラインを同時に見れる便利な画面程度で使ってました。まあ、それ自体当時としてはすごいことだったのですが。

さて、そんなゴミ箱アイコンですが、もちろん最新の MacOS にも実装されています。そして、Mac の後を追っていた Microsoft Windows にもあります。

しかし、MacOS と Windows のゴミ箱の仕様には違いがあります。MacOS では、CD/DVSの取り外しや、USBメモリーの取り外しに、ゴミ箱を使います。正確には、取り外しできるドライブなどをゴミ箱にドラッグすると、ゴミ箱アイコンが取り外しアイコンに変わります。ここでそのままマウスを放せば、取り外し完了です。

そんな機能は Windows のゴミ箱にはありません。USBメモリーの取り外しは全く別のインターフェースになっています。どっちが便利かといえば、慣れればもちろん MacOS が便利です。

最近、派遣先の大学で、MacOS の古い Mac Book Pro から Windows 7 の新しいノートPCに切り替えた職員がいて、あやうく外付けのHDDに入ったデータを全て削除してしまうところでした。MacOS で見慣れたUSBメモリーのアイコン(ドライブのアイコン)が無いので、隣りの人に聞いたので、削除しないで済んだそうです。

世の中的にはパソコンとしての MacOS のシェアはかなり低いそうですが、この大学の中では多数派です。学部の推奨PCが Mac Book Pro だったこともあり、今年の新入生の9割がMac を選択しました。学生は、この先4年間に Mac と Windows の両方を使っていくので、たぶん両方に慣れていくと思います。

若い学生はこんなことは無いと思いますが、同世代で Mac に慣れきった人が Windows を使うことになったら同じような危険な目にあうのかな、なんて考えさせられました。