デスクトップのゴミ箱アイコン

デスクトップのゴミ箱アイコンを見たのは、初代 Macintosh の画面だったと思います。はるか昔のことなので自信はありませんが、画面の隅にあるゴミ箱のイラストは、かなり衝撃的でした。

当時は、MS-DOS 全盛の時代。ファイルの削除は、もちろん del コマンドです。それが、マウスで移動すれば削除できてしまう。初代 Macintosh があったのは大学の他の研究室で、自由に触ることはできませんでした。そのころのコンピュータ雑誌にはこの画面がよく紹介されていたので、当時は何度も目にしていたような気もします。

私が所属している研究室には、X-windos が使えるUNIXマシンがあったのですが、まだ、デスクトップの概念が希薄な時代で、もっぱら複数のコマンドラインを同時に見れる便利な画面程度で使ってました。まあ、それ自体当時としてはすごいことだったのですが。

さて、そんなゴミ箱アイコンですが、もちろん最新の MacOS にも実装されています。そして、Mac の後を追っていた Microsoft Windows にもあります。

しかし、MacOS と Windows のゴミ箱の仕様には違いがあります。MacOS では、CD/DVSの取り外しや、USBメモリーの取り外しに、ゴミ箱を使います。正確には、取り外しできるドライブなどをゴミ箱にドラッグすると、ゴミ箱アイコンが取り外しアイコンに変わります。ここでそのままマウスを放せば、取り外し完了です。

そんな機能は Windows のゴミ箱にはありません。USBメモリーの取り外しは全く別のインターフェースになっています。どっちが便利かといえば、慣れればもちろん MacOS が便利です。

最近、派遣先の大学で、MacOS の古い Mac Book Pro から Windows 7 の新しいノートPCに切り替えた職員がいて、あやうく外付けのHDDに入ったデータを全て削除してしまうところでした。MacOS で見慣れたUSBメモリーのアイコン(ドライブのアイコン)が無いので、隣りの人に聞いたので、削除しないで済んだそうです。

世の中的にはパソコンとしての MacOS のシェアはかなり低いそうですが、この大学の中では多数派です。学部の推奨PCが Mac Book Pro だったこともあり、今年の新入生の9割がMac を選択しました。学生は、この先4年間に Mac と Windows の両方を使っていくので、たぶん両方に慣れていくと思います。

若い学生はこんなことは無いと思いますが、同世代で Mac に慣れきった人が Windows を使うことになったら同じような危険な目にあうのかな、なんて考えさせられました。